あがりものの話

昭和30年代の事である。向山地区で火事が発生した。その後片付けのため収集事業所の職員が動員された。作業をしていると,焼け跡から硬貨が両手で持ちきれないほど出てきた。家の人に連絡すると,2~3年前に亡くなったおばあちゃんの「へそくり」らしかった。家の人から片付けのお礼にという事でそっくりくれる頂けることになった。持ち帰って両替をしようと思い地元の七十七銀行に持って行ったところ,焼け焦げの跡がついていたため交換してくれなかった。日本銀行に持っていきようやく交換してもらうことができた。金額は不明であるが,事業所の親睦会に入れて皆さんに喜ばれた。

同じく昭和30年代の事である。現在,営業ごみの収集は許可業者が行っているが,当時は,収集事業所の収集車が朝の5時から収集に出かけて行った。街中の日の出ビル,藤崎デパート,三越デパート,中央市場,青空市場等を回ってくるコースであった。日の出ビルの公衆電話では,深夜に酔っ払い(?)が忘れていった釣銭を集めたりした。また,市場の近くでは,充分食べられるが商品としては売れなくなった魚等が捨てられることもあった。これらは,その日の昼食のおかずに早変わりとなった。

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