旧今泉清掃工場 (昭和43年~51年)
清掃工場の運転作業は24時間行っている。
その為,運転係の職員は4つの班に分れており,日勤(8:30~16:45)と夜勤(16:30~翌朝9:00)に交代するシステムをとっている。
その各々の班には,炉運転職員とごみを投入するクレーンマンが配置されている。
ある日の夜,夜勤班のクレーンマンが,昼間の疲れが出たのか,うっかり居眠りをしてしまった。
焼却炉というのは,投入口が炉の上の方についているので,炉の中で燃焼した炎が投入口から出てこないようにごみを常に投入して蓋をした状態にしておかなければならない。
その職員は居眠りをしていたので,投入口から煙が出ても,更に炎が出ても気付かず,その炎がごみピットの天井に燃え移り,煙がごみピット内に充満してようやく気が付いた。
旧今泉工場は,クレーン室から出る為にはその煙が充満しているごみピット内の投入口の脇を通らなげればならないようになっていた。
彼はクレーン室から助けを呼んで,ようやく助けだされたが,危なく煙に巻き込まれるところであった。
後日談だがそのクレーンマンの助けを求める姿がなんとも滑稽だったと,怪我がなかったからこそできる話である。
(廃棄物資源循環学会誌 Vol.28 No.3 2017)