廃棄物の分類具体例5
(7) 蒸気機関車から出た石炭の燃え殻
かつて,国鉄では,ご存知の通り,蒸気機関車(SL)を走らせていました。
蒸気機関車は,石炭を燃料として走っていました。石炭が燃えたあとには,灰が残ります。
仙台駅の北東側に駅に隣接してビルが建っていますが,このビルの建設工事の基礎工事のため建設用地を掘削した際,この灰が出てきました。
これは,蒸気機関車から出た灰を駅構内の空き地に廃棄していたことによるものと推定されました。
国に産業廃棄物の種類を問い合わせたところ,「燃え殻」と「鉱さい」とのことでした。
今ならこのような空き地に廃棄する行為は,不法投棄になりますが,当時は,こういった場合の保管や埋立ての基準がありませんでしたから,違法ではありませんでした。
参考:廃棄物処理法では,「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。」となっており,「みだりに」とは正当な理由なくと理解されています。
(8) 職場で出たタバコの吸殻,昼食用にコンビニから買ってきた弁当の廃容器
職場のタバコ部屋で出たタバコの吸い殻は,事業活動に伴って出たもので,廃棄物処理法上考えれば,灰は,燃え殻となり,フィルターは,廃プラスチック類と紙の混合物で総体として産業廃棄物ではないかと思っています。
しかし,産業廃棄物として処理する事業者はいないでしょう。
お昼休みに昼食をとります。多くの人がコンビニから買って来た弁当を食べます。この際のプラスチック製の弁当の廃容器は,自治体によって解釈が異なるようです。
昼食であっても事業活動に伴うものだから,産業廃棄物,という考え方と,昼食は,個人の営みだから一般廃棄物という考え方です。
解釈の違いはあっても,実態としては,事業系の一般廃棄物として処理している場合が多いようです。