廃棄物の分類具体例6
(9) 廃木製パレット
貨物の流通のために使用した廃木製パレットは,廃棄物処理法施行令の改正により,10年位前に産業廃棄物になりました。
施行令第二条二号に,「…貨物の流通のために使用したパレット(パレットへの貨物の積付けのために使用したこん包用の木材を含む。)に係るもの…」との一文が加わりました。
ここで疑問が生じます。廃棄物のみを運搬した廃パレットは,産業廃棄物となるのでしょうか?
私は,廃棄物は,貨物には含まれないと考え,ある時,廃棄物のみの運搬に使用した廃木製パレットをとある市の施設に搬入しようとしました。
しかし,「待った」がかかりました。
「産業廃棄物ではないか」とのことでした。
その後,市が環境省に問い合わせたところ「産業廃棄物です。」との回答だったそうです。
納得がいかずに私自身も環境省にメールで,問い合わせたところ「廃棄物は貨物に含まれない」との回答でした。つまり,一般廃棄物ということです。
再度,環境省からの回答をもとに,市に問い合わせたところ,環境省の中で議論したようで,結局は,廃棄物は貨物に含まれ,廃棄物を運搬した廃木製パレットも産業廃棄物という事になったようです。
私も再度メールで真偽を問い合わせましたが,四か月後の現在も回答はありません。
私は,全く納得できない内容です。
デジタル大辞泉によれば,貨物とは「1 品物。荷物。かもつ。2 貨幣や財産。」となっています。
では,品物とは何か?
貨物に廃棄物が入る余地はないと思います。
廃棄物処理法上,廃棄物が貨物に含まれるなら,貨物自動車運送事業法に基づく許可等が必要となるのにその様な見解はなされていません。
当然,市の施設で焼却するよりも,リサイクル施設でリサイクルするという観点は大切だと思いますが,それと今述べた内容とは別問題だと思います。
枝葉末節な議論だと思いますが,廃棄物処理法は,枝葉末節の積み重ねです。
一歩間違えれば,許可を持った収集運搬業者が,無許可営業で許可取り消しもあり得ますから。
この様に,一般廃棄物と産業廃棄物の間には,グレーゾーンがあるのです。