し尿貯留槽 原町事業所(昭和41~平成元年)

 

原町事業所は,バキュームカーで運ばれて来たし尿を一旦貯めて,バルブの操作により,それを一日かけて工業用水で希釈して,下水道管に放流している施設であった。そのため,職員には日勤と夜勤があった。

ある日の夜勤,職員がバルブの操作を誤ったまま,仮眠をとってしまい,希釈し尿が敷地内に溢れだすという事故が発生した。さすがに,臭いがあたり一面に広がったので近くの住民から苦情が来た。そこで,その日の管理者が,丁度雷がなっていたのを口実に,「雷が落ちてしまって…」とごまかしたということであった。市民も納得したのか,それ以上の追及はなかった。

また,原町事業所の向いには,ガス局の建物があり,当時はそこで石炭から都市ガスを製造していたが,その操業に伴い,異臭があたりに漂ったこともあった。近くの住民からは決まって原町事業所がその犯人ではないかと苦情が来て,マンホールの蓋を開けさせられ異常の有無を確かめられたこともあった。清掃に対する偏見の一種であろう。

事業所の貯溜槽には,何日かすると次第にスカムといわれる固形物が壁に付着する。そのままにすると下水管への流れが悪くなる。その為,係員は槽の上部にある蓋をあけ長い棒を用いてそのスカムをつついて落とす。

ある時,係員が一人でその作業をしていたところ,手元が滑って真っ逆さまに槽の中におっこちてしまった。命に別状は無かったものの,槽から自力で這い上がり,し尿まみれのまま事務所に戻ったため,職員から「何やってんの,おめえ!」と鼻つまみにあったということである。

(廃棄物資源循環学会誌 Vol.28 No.3 2017)

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