水銀廃棄物について⑦
(2) 水銀含有ばいじん等・水銀を含む特別管理産業廃棄物
①水銀含有ばいじん等の対象は何か?
水銀に汚染されて廃棄物となったものが水銀汚染物です。
その内特別管理産業廃棄物以外で次の条件に該当するものが対象です。
従って,これは,産業廃棄物です。
廃棄物の種類 | 水銀含有ばいじん等の対象 | 水銀回収義務の対象 |
燃え殻,鉱さい,ばいじん,汚泥 | 水銀を15mg/kgを越えて含有 | 水銀を1,000mg/kg以上含有 |
廃酸・廃アルカリ | 水銀を15mg/Lを越えて含有 | 水銀を1,000mg/L以上含有 |
② 水銀を含む特別管理産業廃棄物の対象は何か?
水銀に汚染されて廃棄物となったものが水銀汚染物です。
その内,次の条件に該当するものは引き続き特別管理産業廃棄物です。
廃棄物の種類 | 特別管理産業廃棄物の対象 | 水銀回収義務の対象 |
燃え殻,鉱さい,ばいじん,汚泥 | 特定施設から排出されるもので,水銀の溶出量が0.005mg/Lを越えるもの | 水銀を1,000mg/kg以上含有 |
廃酸・廃アルカリ | 特定施設から排出されるもので,水銀の含有量が0.05mg/Lを越えるもの | 水銀を1,000mg/L以上含有 |
2つの表を見る場合,溶出と含有の違い,さらに,数字と単位に注意する必要があります。
このことから,特定施設より排出されるものに厳しい基準が適用され,それらは特別管理産業廃棄物となることがわかります。
燃え殻,鉱さい,ばいじん,汚泥は,水銀をたくさん含んでいても,溶出量が0.005mg/L以下であれば,単なる産業廃棄物です。
安定しているかどうかが大切なのでしょう。
ただし,1,000mg/kg以上含有していれば,回収義務が生じます。
それでは,特定施設とは何か?
次回で。