廃棄物の分類具体例1

ここで注意すべき点は,事業活動というのは,「単に営利を目的とする企業活動にとどまらず,公共的事業をも含む広義の事業活動」で,製造業や建設業等に限定されるものではなく,農林業や商店等の商業活動,水道事業,学校等の公共事業も含まれます。

具体的な例でいくつかみていきましょう。
(1) ボールペン
例えば,市民センターの事務室からボールペンがごみとして出されたとします。
これは,「廃プラスチック類」と「金属くず」の混合物です。インクが残っていれば,「汚泥」も含まれるでしょう。

これらが廃棄物になった場合,「廃プラスチック類」も「金属くず」も「汚泥」も業種限定がありませんから,産業廃棄物となります。排出量の規定は,廃棄物処理法にはありません。
しかし,仙台市内で事務室から出されたボールペンを産業廃棄物として出しているところは,ほとんど無いと思います。
事業系の一般廃棄物として市が収集運搬を許可した業者に委託しています。
産業廃棄物なのに一般廃棄物として処理して良いのでしょうか?

良いのです。
何故か?

廃棄物処理法11条2項に
「市町村は,単独に又は共同して,一般廃棄物とあわせて処理することができる産業廃棄物その他市町村が処理することが必要であると認める産業廃棄物の処理をその事務として行なうことができる。」
となっています。
つまり,市町村が認めれば,産業廃棄物を処理しても良いよ,というものです。
これを「あわせ産廃」といいます。

もちろん,使用後のボールペン等の廃プラスチック類だけ分別して産業廃棄物として処理しても良いのです(法律を作成した人の意向は不明ですが,これが廃棄物処理法上の本筋だと思います。)。
この場合,収集運搬業者と処理委託の契約締結はもちろんの事,マニフェストの交付が必要になります。

One Response to “廃棄物の分類具体例1”

  1. […] 市町村の多くは,産業廃棄物であっても政策上「あわせ産廃」として処理している場合があります。 […]

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